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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第六回】探し物はなんですか?

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「だ-----っ!!;」
抱きついてた阿部を引き離して京助が意味もなく声を上げる
「沙織ちゃんが余計泣くでしょう!」
母ハルミが京助の頭を叩いた
「んなこといったってよッ!!」
それに対して京助が反論すると小さく聞こえてきた歌
「…ラムちゃん…?」
半べそのまま阿部が緊那羅を見ると呟くように緊那羅が歌い始めていた
「…緊那羅…」
緊那羅が歌う歌を聞いているとどうしてか凄くホッとする
泣いていた沙織もいつの間にか泣き止んで眠そうに欠伸をしている
「そうだ…歌!! 緊那羅!!」
突然京助は緊那羅の両肩を掴んだ
「な…んだっちゃ?;」
ビックリして歌うのをやめた緊那羅が京助を見る
「えーっと…その歌…お前…」
京助が緊那羅に何かを聞きたいらしい
「どこで覚えた?」
緊那羅が何かを思い出そうと考えていると母ハルミが緊那羅の歌った旋律を鼻歌で歌った
「母さん…それ…」
京助が母ハルミを見ると母ハルミが微笑んでこう言った
「これはねアンタの父さんがよく歌ってた子守歌」
その母ハルミの言葉で京助の頭の中に蘇ったさっき気を失っている中で見た光景
幼い自分と悠助と母ハルミとそして父親らしき人物と
「ごめん…私はどこで覚えたかわからないっちゃ;」
緊那羅が申し訳なさそうに言う
「懐かしいわぁ…」
母ハルミがどこか寂しそうに笑った
「アンタはこの歌沢山聴いたからかしら? 悠ちゃんは覚えてないでしょうねぇ…」
母ハルミが言うとハッとして京助は緊那羅を見た
「…京助?」
そしておもむろに緊那羅の胸の辺りに手を置いた
「な…何してンのよッ!!」
阿部の怒鳴り声とともに

パァン 

という小気味いい音が京助の左頬から生まれた

「痛てぇッ!;」
左頬を押さえて京助が叫ぶ
「…京助…何がしたかったんだっちゃ?;」
緊那羅がわけがわからず京助に聞く
「こんなヤツ放っといていこ!! ラムちゃん!!」
阿部が立ち上がり緊那羅の腕を引っ張った
「あ…う…ん?;」
阿部に引っ張られて緊那羅が立ち上がりそのまま阿部についていく
「あ!!; コラ! ちょいまちっ!;」
左頬を押さえつつ京助も立ち上がり二人の後を追うように駆け出した
「晩御飯までには悠ちゃん連れて帰ってくるのよ-!?」
母ハルミが叫ぶと京助が後ろ向きのまま手を振った