WHITE BOOK
それからしばらく、白本から白本術に関する説明を受けた。
まず、詠唱と型式の間は空けても問題ない。先程の純粋火炎の時も、さりげなく間が空いていたので、確かに問題なさそうだ。逆に、導入と詠唱は続けて唱えなければならない。型式と術名も同様だ。
それから、白本とペンさえその手に触れていれば、本を開いていなくても白本術は使える。つまり、呪文を覚えてしまいさえすればいいということである。
詠唱まで唱えた後に術をキャンセルするときは、型式・術名と唱えずに「チャージ」と言えばいいようだ。
《「チャージ」は変換した魔力を再び体内に取り込むという意味で用います。再変換はしませんので、純粋火炎であれば少し熱いかもしれません。》
「じゃあ、使うには気をつけないといけないね。」
《はい。ただ「チャージ」は応用として、回復系白本術で自らの傷を癒すこともできます。通常、白本術は所有者に効果がないとされています。》
「なるほどね。」
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ