WHITE BOOK
イメージとしては水鉄砲。いや、そんな生易しいものではない。民間人は持つことすら罰せられる、そんな危ないもののよう。
ペン先に立ちのぼる陽炎は想楽の呪文で弾となり、まさしくイメージそのもののように勢いよく飛び出した。その勢いは予想以上の反動を生み、想楽を軽くよろめかせるものだった。弾はまっすぐ的に向かい、着弾とともにすさまじい熱と音を上げた。
その一連の流れの間、羽ペンがかすかな光を放っているのに気付くほどに。
「な、何?何があったの?」
「こんな魔法って……あり?」
純粋火炎は、まったく目に見えない魔法だった。
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ