WHITE BOOK
《では、早速純粋火炎を発動させてみましょう。シュートの型式はペン先から半径5cmの直線状に飛ぶものです。射程距離はおよそ10mで、源力操作で言うところの「波動」に近いものです。まずはペン先を標的に向けてください。》
本に言われたとおり、想楽は壁にかけてあるダーツの的のようなものにペン先を向ける。そこからはまだ陽炎が休みなく立ちのぼっていた。
「こ、こう?」
《そうです。その状態で型式「シュート」と術名「純粋火炎」を唱えてください。術が完成し、発動することができます。》
ごくりと唾を飲み込む。それは新代学園の受験結果の通知が入った封筒を開けようとしているときの心境に似ている。
不安だけど、その先を知りたい。
意を決して、想楽は叫んだ。
「シュート、純粋火炎(クリアフレイム)!」
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ