WHITE BOOK
じゃあ次は影響をするからね、と言ってソアラはくるりと向きを変えた。
先程生み出した炎の剣を両手で下段に構えると、そこに先程と同じように源力の光が集まってくる。
「スパイラル――」
ぽつり呟くソアラの声。その一言が、スパイラルを発動するときの呪文なのだろう。
光の集束が済むと、剣は高々とソアラの頭上に掲げられた。
「バーニングアップ!」
瞬時、源力の光は剣に吸い込まれる。膨張を起こした剣は、半ばはじけるようにその刃を勢いよく燃え上がらせた。思わず一瞬目をつぶってしまったが、炎が目の前で大火災のごとく燃えているのに、それほどの熱さを感じなかった。
しばらくして炎がおさまった時、ソアラは涼しそうな顔で想楽のほうを向いていた。
「あはは、びっくりした?影響は、その属性のものに作用を施して、変化を与える型式なんだ。さっきのは火力を上げる、みたいな感じ。温度が低かったのは、これも影響で調整したからだよ。」
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ