WHITE BOOK
想楽は入り口近くに据え付けてある椅子に座る。ソアラは部屋の真ん中に、想楽のほうを向いて立っていた。
「スパイラルとジュエラルには、型式ってのがあってね。詳しくは後で説明するけど、あたしは『具現』と『影響』が使えるんだ。まずは具現からね。」
簡単に言ってから、ソアラは右手を上げる。
そこにあの時見た光と同じものが集まってきた。おそらくこれが、螺旋模様の集めた源力なのだろう。源力の光がソアラの右手を包み込んだ頃、ソアラは腕を振り下ろしながら叫んだ。
「スパイラル、フレイムソード!」
その腕の軌跡に沿って、源力が尾を引いた。それは一瞬のうちに赤く燃える炎の刃となり、柄を形作った後、ソアラの手の中に納まった。
ぽかんと口を開けたまま一部始終を見ていた想楽に、ソアラが再び言った。
「具現の型式は、まぁ読んで字のごとく、その属性の物を生み出す型式だね。」
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ