WHITE BOOK
太陽が明るい。
湿気はほとんどないのか、暑さは感じない。むしろ、この制服では少し寒いくらいだ。
ソアラの家を昼過ぎに出発して、最初に向かっているのはこの町にあるトレーニングホール。ディアルの言葉で源力操作練習場、つまりは魔法の練習をする場所のようだ。
「確か白本には、持ち主を護る力みたいなのがあるはずだから、それを想楽が使えるように練習したほうがいいと思うんだ。」
そういうのにはいい場所だよ、とソアラは言った。
「じゃあ私も、白本の力を借りるとはいえ、魔法を使えるんだね?」
「そういうこと。」
小さい頃から憧れだった魔法。
今は画面の中のものではなく、隣を歩くソアラだって魔法を使うし、白本を使って想楽自身も魔法を使うのだ。
それを考えると、早くその練習場に行きたくて自然に足も速まっていた。
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ