WHITE BOOK
ソアラの話によると、ミルムと言うその人も5人のエランドのうちの1人であって、白本を誰かに届けたようだ。そうなると想楽のこれとは別の白本を持った誰かがミルムのところにいるはずであり、美姫はその2人と合わせて3人でいるのだろう。
「本当に別の白本のところにいたんだね。」
驚きの表情を浮かべて、想楽は言った。ソアラはそれに頷いて答える。
「うん、本当にいるとはあたしも思わなかった。とりあえず怪我もないみたいだし、ミルムとは最初に合流する予定だから安心だよね。」
美姫の無事を知り、安心した想楽は安堵の息をついた。
よーし、と気合いを入れたソアラは、想楽の正面に立っている兄に向かって、輝かしい笑顔で、とんでもないことを言い放った。
「じゃあお兄ちゃん、ちょっと世界救ってくるね!」
その言葉に、アランも負けじと笑顔でこう返した。
「いってらっしゃいませ、姫様。道中お気をつけて。」
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ