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アリス・スターズ
アリス・スターズ
novelistID. 204
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WHITE BOOK

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 答えを聞きながら、想楽は彫刻の下部に数字の並びを見つける。「愛の月」と書かれているからこれは日付だろう。1094年愛の月29日が任命式のあった日だとすると、今は1097年だろうと考えられる。
 写真立てを机に戻して、アランは想楽に向き直った。
「エランドに選ばれるってことは、ファルシア教の信者――つまり共生主義者にとって、とても名誉あることなんだ。たとえ妹であろうと、尊敬に値するってことだね。」
 そこでようやく、兄のアランが妹のソアラに、やけに他人行儀な接し方をする理由を知ることになった。

 しばらくして、ソアラが部屋に戻ってきた。
「お待たせ!ごめんね、ミルムと話すと長くなりがちなんだ。」
 そのまま想楽の座るソファーに近付いてきて、続けた。
「ねぇ、カンナギ ミヒメって子、エアルの友達?」
 一瞬忘れかけていた想楽のもう1つの名前にも、美姫の名を聞くことで反応することができた。
「なんでソアラが知ってるの?まだ教えてないはずだけど……。」
「それがさ、今さっき電話かけてきたミルムと一緒にいるんだって!」
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ