WHITE BOOK
男と女、2人だけしかいない空間になった。
恋愛には無頓着だった想楽でも、この空気はどきどきさせられるものだ。
「何を話せばいい?」アランが口を開いた。
「あっ、えーと――ソアラは、エランドっていう立場なんだって聞いたんですけど、エランドって……どういう立場なんですか?」
どうしても意識してしまい、言葉を途切れさせながら想楽は聞いた。そのことか、とアランは呟き、ソアラの机に歩み寄りながら答えた。
「エランドというのは、共生主義宗教であるファルシア教において、女神リンダの声を聞き、それを人々に伝える役目を持った5人の選ばれた人のことなんだ。」
さらりと言ったアランの言葉には分からない単語が多すぎて、想楽は目を白黒させる。その様子を見て、アランは机の上に置いてあった写真立てを手に取った。
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ