WHITE BOOK
「別の……ってことは、白本は1冊じゃないの?」
想楽はソアラの言葉から浮かび上がった疑問を投げかける。うん、とソアラが頷いた。
「白本は全部で5冊あってね。それぞれエランドって呼ばれる立場がずっと護ってきたんだ。あたしもエランドだよ。」
「エランドって?」
「それはね――」
ソアラが説明を始めようとしたとき、扉が叩かれる音が聞こえた。失礼します、の声と共に扉が開き、その向こうからアランが姿を現す。
「姫様、お電話です。」
想楽とソアラの視線が、アランの前で交わる。
「電話?誰から?」
「ミルム様からです。」
その名前を聞いて、ソアラは立ち上がる。そして想楽のほうに向き直り、言った。
「ごめん、その話はお兄ちゃんから聞いて。お兄ちゃんも詳しいからさ。」
そのままアランの横を通り過ぎ、ソアラは部屋を出て行った。
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ