WHITE BOOK
「お前達――」
「きゃああぁぁーっ!」
「わああぁぁーっ!」
突然背後から声をかけられ、2人は豪快な叫び声をあげて飛び上がった。振り返るとそこには黄緑色のフードを被った男の姿。彼もまた、2人の叫びに驚いた表情をしていた。
「もうっ、びっくりさせないでよ!」
美姫が半ば怒りを込めた声で言うと、男は小さな声ですまんと言い、謝罪の態度を見せた。それから気を取り直すかのようにひとつ咳払いをして、言った。
「お前達、セイファー・リバティという男を知らないか?」
質問にはセイファーが手を挙げて答える。
「ぼくがそうですけど。」
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ