WHITE BOOK
「きみ、名前は?」
命の恩人とも言える少女に、美姫は聞いた。
「ぼくですか?ぼくはセイファー・リバティと申します。」
礼儀正しく少女が言った。
「あなたは?」
「あたしは神流樹 美姫(かんなぎ みひめ)。」
美姫も自らの名を名乗り、右手を差し出す。
「助けてくれてありがとう。よろしくね、セイファーちゃん。」
その言葉を聞いて、なぜかセイファーは驚きの表情を浮かべる。それを見た美姫からは疑問符が飛び出した。
「どうしたの?」
「ええと、あのう……。」
セイファーは、とても言いにくそうに言った。
「ぼく――男、なんですけど……。」
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ