WHITE BOOK
おそらくはまた同じ魔法を構えている男に、少女は手のひらを向ける。たちまちその手の平から光――少女のケープと同じ色――があふれてきて、辺りを明るく照らしだした。
美姫にとってはその事象すら驚きであり、半ば意識を乗っ取られたような表情で、眩い光を見つめていた。
「行くぜ――スパイラル、マインドショッカー!」
男の指から雷の粒が放たれる。美姫は正直怖かったが、少女を信じて今度は目をつぶらまいと努力する。
少女は光を手の平にとどめたまま、動かない。
雷はもう目の前に迫っていた。
勝利を確信した男がニヤリと笑う。
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ