WHITE BOOK
本当は夢にまで見た存在を喜びたいのだが、今のシチュエーションではそうもいかない。
――明らかに攻撃されるフラグ。
「……スパイラル、」
つぶやく男の指に集まった光は、ごく小さな玉の形を成した。数は数えることができないが、ざっと見積もっても30は超えている。雷特有の青白い光を時折強く放つその玉は、男の指の周りを漂いながら、美姫を狙っていた。
螺旋模様が、光の粒に指示を与える。
「マインドショッカー!」
振り下ろした手の勢いで、雷が飛んでくる。
美姫は恐怖のあまり頭を抱え、目を閉じた。そして、無駄だと分かりつつ、とにかく叫んだ。
「いやああぁぁっ!」
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ