WHITE BOOK
2人組は写真を見て考える。
「全然違わないっすよねぇ、先輩。」
「だよな。何を言ってるんだ、こいつは。」
会話は美姫にも聞こえ、明らかに人を見分ける能力がないんだな、と言う感想を抱かせる。下手をすれば自分の相棒のことも別人と間違えるんじゃないか、という変な不安まで湧いてきてしまっていた。
「まぁいい。とにかく、連れて帰らせてもらうぞ!」
「ちょっ、人の話聞いてた!?」
美姫の訴えに聞く耳を持たない男は、なぜだか右手の人差し指を天へ向けた。
その指に黒い螺旋模様が書いてあるとしか知らない美姫が、何のつもりかを考え始める暇すら与えないまま、その指に青白い光がともった。
まさか!
美姫は声には出さず驚いた。
(これって、魔法じゃない?)
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ