WHITE BOOK
赤髪の右手から青白い閃光がほとばしる。それは空中で稲妻となり、相手を睨んでいるかのように見えた。紫髪の右手からは深い青が放たれたかと思うと、グラウンドに転がっている氷の塊が、まるで意思を持っているかのように空中をさまよい始めた。
一方で、アランの右手から放たれた赤い光が、ソアラの足元を包み込む。その光は燃え盛る炎となり、ジェットエンジンのような形でソアラの体を勢いよく前進させた。
2人の間に滑り込んだソアラの右手に集まってきていた赤い光が尾を引いて、大きな炎の剣となり、ソアラの手の中に納まった。
そこまで確認できたかできないか。赤髪の稲妻と紫髪の氷の塊が、それぞれ狙うべき相手に向かって動き始めた。
「危ないっ!」
想楽は思わず叫んでいた。
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ