WHITE BOOK
しばし満腹感に身を任せていると。
「……なんか外が騒がしいね?」
想楽が言った。部屋が比較的静かだから聞こえるが、そこまで遠くでもなさそうだ。
「どうしたんでしょうか?」
アランもお盆を下げようとしながら首をかしげる。
ソアラは自分のベッドによじ登り、花瓶を寄せて窓から外の様子をうかがってみた。そして、すぐ振り向いたその表情は、ひどく慌てているようだった。
「お兄ちゃん、喧嘩だよ!」
言いながらソアラはベッドから飛び降り、身につけていたエプロンをその上に投げ、クローゼットを開けて青いマントを引っ張り出した。
「止めに行くよ!」
「はい!」
そしてそのままの勢いで、兄妹はドタバタと出て行った。
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ