WHITE BOOK
二手に分かれたうち、想楽はアリス、りぼん、ソアラと一緒に本社を囲う塀のとある場所にいた。どうやらここはスターシーカーの寮の裏で、警戒が一番薄い場所らしい。
りぼんは白本を開いている。先に侵入しているはずのセイファーたちが行動を起こせば、アイリスからハイドランジアに連絡が入るはずだ。
「でも、よく侵入方法思いついたね。」
緊張をほぐすかのように、ソアラがアリスに言った。
「そりゃまぁ、嵐が本物のチョーカー持っててパスワードも分かれば、使わない手はないでしょうに。」
セイファー達は正門から堂々と侵入している。たとえ中でスターシーカーに会ったとしても、嵐は本物のチョーカーを持っているから問題ない。頼斗はどうやらスターシーカーの姉がいるらしく、なんとか話は通るだろう。セイファーはクフィリア教の言葉によりここに集められているセイトゥンとして、明らかな異世界臭を漂わせておけば問題はない。
「あれ、もし嵐さんのチョーカーがなかったら、どうやって入る気だったの?」
前から思っていた疑問を、想楽の代わりにりぼんが聞いた。
「ん?そりゃこっから強行突破だよ?」
当然のごとく、アリスが言い放つ。作戦と言えるほどのものでもなかったようだ。
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ