WHITE BOOK
「そっかぁ。」
どうやら子供達も納得してくれたようだ。
「じゃあそらねぇ、これあげる。」
あのハーフの女の子が想楽に寄ってきて、何かを手渡す。
「これは?」
「お守りだよ。」
手の上には、何の変哲もない石が乗せられていた。おそらく川原で拾ったと思われるすべすべの丸い石に、よく見ると不恰好な字で「charm」と書かれている。手作りのお守りを握り、お礼を言った。
「ありがとう。うまくいく気がする。」
「えへへー。」
満足した子供達は、おやすみなさいと手を振って部屋を出て行った。今度こそ、作戦の最終確認が始まる。
スターシーカー本社。
ロイヤリーマリア地区の南の端は、どんよりとした雲に覆われていた。
今夜は大雨になりそうね。ぽつり、黒髪の女が呟いた。
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ