WHITE BOOK
「まぁ、共団の関係の話なもんだから、いいことにしてちょうだい。」
軽い口調でアリスが弁明する。その言葉に、待ってましたと言わんばかりにフィアルの男の子が言う。
「共団の関係なら、おいら達も関係あるじゃん。」
寝る時間にもかかわらずパジャマに着替えを済ませていない男の子のTシャツの裾に、星型のブローチがついている。アリスも嵐も、集まった子供達も皆同じブローチをつけていた。
「うへぇ……それを言われちゃ返す言葉が……。」
「もー、アリス。共団じゃなくてファルシア教がメインでしょ?」
言葉を失うアリスに、ソアラがフォローを入れる。
「本当なの、みらねぇ?」
子供の中の誰かが美羅乃に聞く。質問する相手をよく分かっているな、と想楽は感じた。
「えぇ、そうね。想楽さんのお友達をスターシーカーから助けるのよ。」
美羅乃の言うことに嘘はない。当然、全ての理由を言っているわけではないが。名前を挙げられたからには、想楽も何か言わなければならないだろう。
「そうそう、それでスターシーカーのことをよく知ってる共団の人に協力してもらうことになったんだ。」
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ