WHITE BOOK
光の吸収が終わると、テレポート酔いしたアリスの顔色もだいぶ良くなっていた。
「ふー、迷惑かけたね。」
「いいっていいって。」
全員が揃い席に着いたところで、ヒュージが咳払いをして話し始める。
「なんだ、白本のなんとやらにしても、共団にしても――今晩は重要な夜になりそうだな。」
重要。確かにそうだ。
「今晩やらなきゃいけないことは、最低でもみるむと美姫さんをスターシーカーから救出すること。サリアとその白本の使徒であるクレスと、できれば嵐さんの暗示を解くこと。だよね?」
ソアラが確認をとる。
「できれば他の被害者も救出したいですが、仕方ありませんね。確か、暗示を解くのにセイファーさんの持っている帽子が必要なんでしたよね?」
「はい、そうですね。」
ライトの問いにセイファーが答え、セイファーがPSIの響きを集め始める。光が消えた時には、手にあの赤い帽子が握られていた。
「美姫さんに渡せばいいようなので、りぼんさん、お願いしますね。」
「うん、了解。」
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ