WHITE BOOK
案内されたのは、孤児院のリビング兼セイラル支部の会議室。孤児院の全員が一緒に食事が取れるように、大きいテーブルが4つ並べて置いてある。椅子の数は全部で20。そのうちの1つに、小柄な男が座っていた。
「おー、来たか。」
想楽達の姿を見つけた男が立ち上がり、こちらへ近付いてくる。金髪のショートヘア、白いTシャツにハーフパンツ、なぜか首から黄色いタオルをさげている。小麦色に焼けた肌で少し分かりにくかったのだが、右手に乳白色のオーブが付いていることからディアルと分かる。
「俺がリトル孤児院の院長でセイラル支部長、ヒュージだ。」
名乗った男、ヒュージに想楽とりぼんも自己紹介する。するとヒュージは、想楽達の後ろで小さい女の子――よく見るとハーフだ――と手を繋いで立っている嵐に視線を向ける。
「――言ったんだな、嵐。」
「あぁ、あにきには迷惑かけたな。」
ヒュージも嵐とスターシーカーの関係は知っているらしい。嵐が孤児院に入った当時にいた人しかこの事実は知らないと聞いているので、彼は昔から孤児院に関わってきているのだろう。
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ