WHITE BOOK
車を止め、降りる。ミルリーフとは空気が違うように感じた。梅雨の最中だったミルリーフと違い、湿気がないからだろう。
「出発は1時間後だから、ゆっくり休んでね。」
ソアラに連れられ、建物に向かう。建物の入口には、数人の子供が想楽達の到着を待っていた。フィアルもディアルも、右手をそこまで見ていないから分からないがハーフもいるだろう。
「らんにぃ、お帰り!」
「らいにぃも運転お疲れ様!」
「ソアねぇ、どっちがそらねぇ?」
「うわー、髪長ーい!」
「早く早く、あにきが中で待ってるぜ!」
この時間にもかかわらず、わいわいと騒ぐ子供達に手を引かれ背中を押され、孤児院の中へ連れて行かれる。
「わ、ちょっ、そんな押さないで!」
「そんな急かさなくても行くからー!」
「……孤児院は相変わらずだな。」
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ