WHITE BOOK
その他いろいろな話で盛り上がっているうちに、空中道路の降り口が見えてきた。途中のパーキングエリアで30分ほどの休憩を2度挟み、現在時間は20時を少し回ったところだ。
料金所の名前は「Cross-Franola」となっている。指定された料金――380粒を支払った後、車を進めながら頼斗が言う。
「セイラル支部はここから近いです。10分もあれば着きますよ。」
クロスフラノーラ地区は思った以上に殺風景だ。家の屋根の色もミルリーフやエアウェーのようにカラフルではないし、建物自体もこぢんまりとしている。道路の舗装も痛んでいるところが多い。いわゆる田舎、と表現していいような場所だ。
しばらくすると、比較的大きめな平屋の建物が見えてきた。あれがセイラル支部、リトル孤児院だろう。
車が近付くと、門のところでソアラが待っていた。
「お疲れ様、頼斗くん。」
「ソアラ様こそ、お疲れ様です。」
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ