WHITE BOOK
不思議な年齢とはどういうことだろうか。頼斗に聞き返すとこう返ってきた。
「一番下の子は3歳らしいんですけど、上の子が9歳、真ん中の子が上の子と1月半違いだと――」
「えぇっ!?」
まず上の子の年齢がすでにありえない。信じるならばセイファーは、11歳で子を授かったことになる。しかも、真ん中の子はそれから1月半しか離れていない。
「まさか、母親違いとか?」
「それはないそうです。」
とっさに思いついた、一番あり得そうなものも一瞬で打ち砕かれる。
「どうも、『贈り者』というシステムがあって、それで授かったと言ってました。理解に苦しむところはあるんですが、どうやら天使長という人?が愛し合う夫婦に一瞬で子供を生み出す力を与える……らしいです。セイファーさんの世界では結婚も6歳からできるそうですし、本当に不思議な世界ですよね。」
今になってようやく気付く。セイファーに想楽の常識は通用しないということに。
「だからあの時、頼斗さん達の結婚を遅めって言ったんだ……。」
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ