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アリス・スターズ
アリス・スターズ
novelistID. 204
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WHITE BOOK

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「うーん、いたって普通の家だよ?お父さんがちょっと有名なアナウンサーって以外は。お母さんは専業主婦、あとは年の離れた弟がいるのと、兄がいたってことくらいだもん。」
「いた?過去形なんですか?」
 ハンドルを握る頼斗が、想楽の言わんとしたことを理解したのか、聞き返してきた。
「うん、今はいない。4年前に自殺したから。」

 想楽の兄、桜木 一保(いっぽ)。
 明るく、頼りになる兄だった。ただ少し不真面目で、母によく叱られていた印象がある。想楽がファンタジー大好き人間になったのも、ゲームに興味を持ったのも一保の影響だった。
 想楽が小学6年生の冬。一保は自室で首を吊った状態で想楽に発見された。想楽が実際読んだわけではないが、遺言書にはこう書いてあったそうだ。
「俺の生き方を認めてくれなかった母へ。想楽には想楽の生き方をさせてやってほしい。」

「あの時は相当落ち込んだはずなんだけどね。今は……なんだろう、吹っ切れたって感じかな。」
 当時は得体の知れない魔術の本に書いてある復活の儀式を試みるほど悲しんでいたはずなのに、今はその感情がない。
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ