WHITE BOOK
「それよりさ、」
車内の空気が重くなってきたのを感じ、想楽は別の話題を振る。
「セイファーの家族って、どんな人なんだろうね?セイファー自身がなんか紋章の聖者とかいうので、結構すごい人みたいだけど。」
「確かに、古代語も解読できるらしいしな。」
「セイファーさんって、そんなすごい人なんだー。」
うまく話が変わり、想楽は少し安心する。
「それなんですけど、」
また頼斗が口を開く。
「セイファーさんって、結婚して子供も3人いるみたいですよ?」
「え――」
頼斗以外の3人が動きを止める。
「頼斗……今、何て言った?」
「セイファーさん、結婚して子供も3人いるみたいです。」
嵐が聞き返すと、まったく同じ文脈が返ってくる。
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ