WHITE BOOK
次の日の昼。
「予定通り退院できてよかったです、リーダー。」
薄黄色のワイシャツ、ブラウンのジャケット、グレーチェックのスラックスを見事に着こなした銀髪の青年が頼斗と向き合う。
「あぁ、迷惑かけたな、頼斗。」
今まではベッドの上だったため分からなかったが、想楽と並ぶと嵐は頭1つ背が高い。
「その――本当に、黙っていて悪かった。」
「いえ、エリザの暗示を受けていてなお、共団のトップに立つ意志のあるリーダーはすごいと思います。」
謝る嵐に、頼斗はまだ複雑そうな表情ではあるがそう答えた。新代学園の制服を着た想楽と、半袖のレディーススーツを着たりぼんも、思わず向き合って微笑んだ。
「では、セイラル支部へ向かいましょう。」
想楽とりぼんは後部座席へ、嵐は助手席に乗り込む。運転手は頼斗だ。
ミルリーフの田舎道を抜け、セイラル国に入る。途中、リバティアホウプ港の前も通った。
「想楽お姉ちゃんたちは、ここで頼斗さん達と出会ったんだよね。」
「うん、あの時はわけも分からず追いかけられて大変だったよ。」
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ