WHITE BOOK
「だとしたら……『ゆめ』、ドリーム?」
物語のキーとなるセスナの特殊魔法、『ドリーム』。
持ち主の思いが強くこもっている物を身に付けることによって、持ち主の能力をコピーする魔法だ。
りぼんと頼斗の視線を受けながら、頭の中に情報を整理する。
(たぶん、何らかの形で美姫がドリームに似たものが使えるようになってて、セイファーの持ってた帽子の持ち主の力が、エリザの暗示を解くのにいい力なのかな?セイファーの世界のことだから、そういう力があってもいい気がするし。それが『くろのほしのちから』――どんな力かは、セイファーに聞かなきゃ分からないけど。)
おそらくこれらの情報も、ドリームを使って誰かの能力をコピーして得たのだろう。予知夢かその辺りだろうが、そのような能力がこの世界にあるのだろうか。
「えーと、想楽さん?」
頼斗に名前を呼ばれ、一度思考を停止する。
「何?」
「暗号の意味、分かったんですか?」
もう、分かったと言っていいだろう。想楽は深くうなずく。
「最後の一文はもう1回セイファーに聞き直さなきゃいけないけど、他は大丈夫。」
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ