WHITE BOOK
「アリスお姉ちゃんもセイファーさんも、詳しい意味は分かってないみたい。ただ、美姫さんはそれが暗号の答えにつながるって言ってたみたいだよ。」
伝言を受けたアリスも、美姫に直接聞いたセイファーも分からないのだから、りぼんに分かるはずもない。想楽はもう一度、セスナ・フィーンの設定を思い返す。
想楽はこのゲームをクリアしてはいない。今はちょうど中盤辺りを攻略していると美姫が言っていた。美姫は想楽のストーリー進行を把握しているはずだから、そこまでに答えがあるのだろう。
寝る前だったのでおろしてある髪の先を人差し指でいじくりながら、ストーリーを追ってみる。
話は主人公エアルが、長髪の賢者を追うところから始まる。幼馴染の魔法剣士セスナと2人、住みなれた村を離れ、数々の町を巡っていく。エアルお得意の炎の魔法と、セスナが持つ珍しい魔法で、各地の問題を解決していくのだ。
(セスナの名前が出たってことは、セスナが関係してるんだよね。)
ふと、暗号の文を思い出す。
「『みひめのゆめ』――あ、もしかして!」
セスナのモデルは美姫。もしかして、この『みひめ』はセスナを示しているのではないか。
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ