WHITE BOOK
「セイファーさん、美姫さんから暗号のこと聞けたんだって。エリザの暗示を解けるってのも本当みたいで、そのためにはセイファーさんの持ってた帽子を美姫さんが受け取る必要があるみたい。」
やはりあの帽子は必要だったらしい。セイファーが持っていたのも、偶然ではないのだろう。
「それで……想楽お姉ちゃん、“黄昏色の空の魔法剣士”って、何か分かる?」
「え?」
「そう言えば分かるって聞いてるんだけど。」
まさか、この場でそのゲームタイトルが出てくるとは思っていなかった。黄昏色の空は、主人公の少女が想楽を、親友が美姫をモデルに描かれている。想楽のフィアル名もその主人公、エアル・チェリーから拝借したものだ。
男性が剣士、女性が魔法使いというその世界観の中、異彩を放つのが1人の魔法剣士――
「……セスナ・フィーン、かな?」
美姫をモデルにしたキャラクター、セスナだ。
「で、なんでそこでその名前が」
不思議に思い、りぼんに聞き返す。
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ