WHITE BOOK
嵐はセイラル国クロスフラノーラ地区――リトル孤児院があり、今の共団セイラル支部がある地区の、貧しい集落の生まれだ。両親と双子の妹、合わせて4人で、貧しいながらも幸せに暮らしていたと言う。
転機が訪れたのは、嵐が4歳の時だ。
「法力研究所というものが、レイベル国にある。白本の使徒達に分かりやすく言えば、スターシーカーの羅族版といったところだ。」
嵐の住む集落が、法力研究所の研究員に襲われた。その時に両親は殺され、双子の妹もさらわれて、嵐自身も危機に陥った。嵐も源力操作自体はできた――型式は波動と再生だ――が、すでに膨大だった源力をうまく操ることができなかったし、ホワイトホルダーとしての能力もはっきりと自覚していなかった上、相手の研究員の源力属性が氷と相性が悪かったため、苦戦していたのだ。
「警察は出動したの?」
「後で聞いた話だが、一般人を巻き込むのを恐れてあまり手出しができなかったそうだ。」
途中に挟まれたりぼんの質問にもしっかり答える。
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ