WHITE BOOK
「どういうことなんですか、リーダー……!」
搾り出すように、頼斗が言った。彼は嵐のことを尊敬していると聞いたから、嵐本人のチョーカーが本当に出てきたことに動揺を隠せないのだろう。
その質問すら覚悟していたかのように、嵐は冷静だ。
「今までずっと隠していて悪かった。話すよ、全部。」
それから美羅乃のほうを向いて、
「ミラクも、一緒に話してくれるか?」
と付け足した。ミラクとは美羅乃のフィアル名らしい。
「でも……いいの、らんにぃ?」
「あぁ、いいんだ。白本の使徒達も、そしてソアラも一緒に聞いてくれ。」
嵐がこちらに向けた表情は、なぜか微笑だった。それがどんな笑顔か理解できなかった想楽は、なぜか反射的に、色の変わってしまったりんごの皿を嵐に差し出していた。
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ