WHITE BOOK
病院の駐車場に車を停め、嵐の病室を目指す。途中で何人かの看護師がアリスに声をかけていた――やはり有名なのだろう――が、アリスの返事はどこか上の空だった。
やがて病室の前に辿り着くと、中から嵐と美羅乃の2人と思われる声が聞こえてきた。
「本当にこんなこと、話していいのかしら?」
「もしかしたら、何か重要なことが分かるかも知れない。」
「でも――危険じゃない?」
「彼らなら任せられるさ。ミラクなら分かるだろう?」
「うん……そうなんだけど。」
どうやら何か話をしているらしい。
「取り込み中かな?」
「そうでしょうね。」
しばらく病室の外で待っていると、部屋から美羅乃が出てきた。
「あ、団長……それにみなさん。どうしたんですか?」
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ