WHITE BOOK
思わず耳を疑った。警察はいつも訓練をしていて、強いものだと思っていたからだ。
「弱い……ですか?具体的にはどのくらいなんですか?」
「具体的にねぇ。」
少し考えて、アリスが続ける。
「ミルリーフ警察である程度戦えるやつを全員連れてきても、想楽とりぼんちゃんだけで勝てちゃうくらいかな。」
「え、いやちょっと待って。」
いくらなんでも、それは弱すぎるだろう。仮にも想楽は、白本がなければ魔法も使えない、しかもどちらかと言うと運動音痴な普通の女子高生だ。いくら体術に優れたりぼんがいるにしても、全員連れてくれば負けるだろう。
「用は、やつらは度胸がないんだよ。ミルリーフってのはほんと平和だからね、スターシーカー関連以外の事件ってのは、年に3回あれば多いほうなんだよ。確かに武術は優れてるかも知れないけど、実戦経験はないと思ったほうがいいね。だから国民もあんまり信用してなくて、スターシーカー絡みのことは通報しないんだよ。」
つまりは、平和ボケしているってことか。
それなら啖呵を切れば勝てるかも知れない、と少しだが想楽は思ってしまった。
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ