WHITE BOOK
次第に文字が浮かび上がってくる。表より小さい文字だ。文字色は、セイファーの響きとは違う緑色。
「ドベア……ギダプドネニロジョグペニブテン?“ミヒメ”ワン、トグドンパドグヨパ“ペイエスアイ”ズダメツンセウダ?ワウマセウエェ。」
手紙を手にしたセイファーが古代語で驚いている。セイファーに説明を求めると、
「PSIの『視覚固定』と『共鳴具現』というもので、ぼくにはできないことです。この2つは出現とテレパシー受心の上級行使ですので、おそらく美姫さんはその辺りが得意なんでしょうね。」
と返ってきた。上級というからには、美姫はかなりPSIを使いこなせているらしい。
セイファーはPSIの響きを固定したまま、想楽に手紙を渡す。りぼんと一緒に裏の文字を読もうとしたが――
「あ、これも表のあの文字かな。わたしには読めないや。」
どこまで用心深いのか、それも暗号になっていた。
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ