WHITE BOOK
男は指揮棒をしまい、ショルダーバッグの中をあさり始める。
「チョーカーがある限り、俺はあいつの言いなりだ。」
その言葉に反応を示したのは頼斗だ。
「まさか、あなたも暗示を……?」
「暗示――そうかもな。こいつを媒介にして俺もサリアも操られている。他にももっと多くのやつが操られてると思うぜ。そこの騒がしいやつは違うが。」
言って、開いているほうの手でリリナを指差す。彼女はまだ、セイファーとりぼんを相手に激しい戦いを繰り広げているようだ。
スターシーカーは全員チョーカーをつけている。その中でも、エリザに直接チョーカーをつけられた人が暗示にかかっている、と男は話す。
かばんの中から何かを探し当てた男は、それを想楽に投げ渡した。反応が遅れたが、何とかぎりぎりでそれを受け取る。それは見覚えのある物であり、どこでこれをと疑問を込めて男に視線を移す。
「それ、美姫が渡せって。」
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ