WHITE BOOK
「頼斗さん、ミルリーフの中だったら、スターシーカー相手にしても大丈夫なんだったよね?」
りぼんが頼斗に問う。問いながら、服の中の背中側から束ねた縄と手錠を取り出している。借り物の服にどうやって収納しているかは分からないが、そういえば彼女は警察官だった。
「は、はい、大丈夫ですけど……まさか、」
何かを聞き返そうとした頃には、もうりぼんは駆け出していた。爆発的なスタートダッシュで一気にスターシーカーの女、リリナに近付く。最初に仕掛けた攻撃は、シンプルな飛び蹴りだったが、時速40キロのそれは間違いなく痛いだろう。ぎりぎりで気付いたらしく、リリナはかろうじて避けてはいたが。
危ないじゃない等叫ぶリリナのヒステリックな声を背景に、セイファーがこう提案した。
「ぼくはりぼんさんの手伝いをします。想楽さんと頼斗さんは、洗脳された人達を助けてあげてください。」
「うん、分かった。」
「分かりました。」
2人の返事を聞いてから、セイファーはPSIで木製の杖を生み出す。想楽もフェザーズを唱えてペンを取り出し、頼斗も微量の源力を人差し指にまとい、そして3人で草むらから飛び出した。
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ