WHITE BOOK
少し走ると、大きなトラックの側に先程の人だかりを見つけた。あのオカリナのメロディーはもう止んでいる。セイファーによると、音楽は止んでいてもまだ人々の洗脳は解けていないらしい。
息を整えながら見張っていると、トラックから黒い服を来た女性が降りてきた。女性は男に一言二言話しかけた後トラックの荷台を開けた。それから源力操作を発動して具現化した白い紐のようなものを器用に操って、集まった人の中からディアルだけを寄って中に放り込んでいく。
「あいつは――スターシーカー採掘課主任、リリナ・クロスフィールドか?」
想楽の後ろで頼斗がつぶやく。
「知ってるんですか?」
「はい、スターシーカーの中で肩書きのある人は全員分かります。」
まさか、白本の使徒までスターシーカーに協力させられているなんて。
男のことは名前も知らないが、同じ白本の使徒としてスターシーカーに怒りを覚える。
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ