WHITE BOOK
亡くなった妖精は星になる、とセイファーから聞いていた。しかし、亡くなってから1時間の間に、愛する人の涙を浴びることで天使となって再びよみがえる事ができるという。白本の名前の由来となったセイカー・フィーネという人は最初に天使になった人で、愛の涙は夜空の星からの涙だったと伝わっているそうだ。
「星の涙には色があるんです。星は亡くなった人の心だから心の星と呼ばれてるんですけど、涙の色は心の色と同じです。ですから、PSIの響きが降ってきているような感じになりますね。」
想楽はお得意の想像をしてみる。
妖精や天使が住まい、虹色の雨が降る。魔法が当たり前のように存在し、セイファーの力――PSIは話によると、ヘヴンリィに住む人の3割近くが使えるらしい。
「セイファーの世界って、本当にファンタジーって感じだね。」
「うん。」
少しだけファンタジーをかじった世界に住むりぼんでさえも、同じ感想を抱いていたようだった。
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ