WHITE BOOK
しばらくして、セイファーがダイニングに入ってきた。セイファーはいつも同じ服装だ。
「おはようございます、想楽さん、りぼんさん。」
「あ、おはよう。」
「おはよー。」
一緒にエリカも矢印を表示したため、何事かとページをめくると《おはようございます、セイファー様。》と普通に朝の挨拶だった。
今思うと、セイファーは少し遅めに起きる想楽よりも遅く来ているが、朝に弱いのだろうか。
「そうだ、セイファーさんの白本ってなんて名前なの?」
りぼんが、自分も聞かれたことをセイファーにも聞いた。
「白本のですか?えーと、何でしたっけ?」
ブレスレットの白本を本の形にしながら、アイリスに聞く。開いたページにはこう書いてあった。
《やだなーセイファーちゃん、忘れちゃうなんてさ。天使乃涙雨って書いて、セイクルレインだよ。》
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ