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「りぼんちゃんの白本はなんて言うの？」
　新しいパンを机の上のかごから出しつつ、聞いてみる。りぼんは白本を本に戻し、開く。左側はレディ、右側がルディの言葉だ。
《『英雄乃祈願』と書いて、》
《『ジュリアスプライ』と読みます。》
「ジュリアスは、小人村に伝わる伝説の英雄だよ。」

　村がその後「魔王」と呼ばれるようになる巨人に襲われ、４人の若者が退けた。それを率いていたのがジュリアスだったそうだ。彼は魔法を使えたらしく、その子孫が小人村の村長一族とも言われている。攻撃的な性格でも知られていて、その名を冠するハイドランジアの白本術は全てが物質に作用する攻撃系のものだという。
「白本の名前って、すごい人の名前が付いてるんだね。エリカのマルスだって、戦いの神様の名前だし。」
「そうかもね。」