WHITE BOOK
「後でアリスに聞いたが、その後俺を車に引きずり込んで、アリスが運転してここまで来たらしい。あいつ、免許持ってないのにな。」
「緊急だったから仕方ないと思いますけど……捕まらなくて、よかったですね。」
苦笑いでそう言う嵐に、同じく想楽も苦笑いする。人間、危ない時は何でもできるものだ。
そこで、セイファーが質問した。
「あの、嵐さん。相手は嵐さんの源力の属性を知っていたんですか?じゃないと、わざわざアイシクルチャージしませんよね?」
あぁ、と嵐が頷く。
「スターシーカーにとって、共団は一番の敵だからな。顔と名前、源力属性と型式まで、全部調べられていてもおかしくない。あと、俺達がそこに現れるというのは、スターシーカーにいるエランド、サリアから伝わったんだろう。」
そこまで言って、嵐は顔を伏せる。心配したソアラが大丈夫かと問うと、こう付け足した。
「……この時点では、どこのタイムフルワーズも発表されていなかった。サリアがエランドだと知るスターシーカーも実は少ない。……そこに現れたのは、社長エリザ本人だったんだ。」
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ