WHITE BOOK
PSIで出現させたらしい花を持ったセイファーが、ゆっくりと扉を開ける。
「失礼しまーす……。」
中は4人部屋になっているようだったが、今は1か所しか使われていない。間仕切りのカーテンはほとんど開け放たれていた。窓際の左側のカーテンだけが半分閉められていて、そこから男性の声で返事が聞こえた。ソアラを先頭にして、そこへ近付いていく。
「お久しぶり、嵐さん。」
ソアラが軽く片手を挙げて挨拶をした。
「あぁ、久しぶりだな、ソアラ。」
ブラインドの隙間から差し込む光に照らされてきらめく銀髪と、優しいイエローブラウンの瞳の持ち主が、上半身を起こした状態でベッドに座っていた。フィアルにしては色白な左手の甲には、割と大きいサイズの点滴がつながれている。
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ