WHITE BOOK
「顔色もだいぶ良いみたいだね。」
「おかげさまでな。」
笑顔でソアラの言葉に答える嵐は、とても人がよさそうに見えた。
ソアラの後ろに立っていた想楽と、花を抱えているセイファーの姿を嵐が見つける。
「君達が白本の使徒だな?」
ソアラのそれよりもだいぶ色の薄い瞳で見つめてくる嵐に向かって、想楽は軽く頷いた。
「はい、桜木想楽といいます。」
それから、セイファーを振り返ってみる。彼は嵐の方を向いたまま、半分口をあけて固まっていた。
「おーい、セイファー?」
呼びかけると、瞬時にセイファーが行動を取り戻した。
「あ、ぼくはセイファー・リバティと申します。」
度々このように考え込んでいるが、セイファーの癖なのだろうか。先程は山吹色の響きまで少し出ていたので、相当何か考えていたに違いない。
2人の名前を確認した嵐は、少し佇まいを直し、こう言った。
「初対面がこんな姿で申し訳ない。俺が聖羅共生推進団体聖族団長、凪沙 嵐(なぎさ らん)だ。」
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ