WHITE BOOK
想楽は、自分の身に起きたことをまだ理解できないでいた。
駅で青い髪の少女から受け取ったあの本は、想楽の質問に答えていた時点で、ほぼ8割がた魔法の本と言っていい。ただ、確定にはもう一押しの証拠が欲しかった。
それを求めた結果、提示された条件を満たし、呪文を読んだ。そうしたら、本のページから白い光があふれてきて、想楽と隣にいた美姫を包み込んだ。
とりあえず、そこまでは覚えている。だが、それから今こうしているまでの間に何があったのか、まったく覚えていない。
とにかく、なんだか体が重いから、しばらくはこうしておこうかな。
不自然なほどふんわりしたベッドと、重さを感じないほど軽い肌布団。
そのふたつの間に、想楽は仰向きに寝かされていた。
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ