WHITE BOOK
第4章:別世界(Another World)
朝日はいつのまにか高い。
もともと健康な体を作るために始めた朝のウォーキングは、いつのまにか少女の日課になっていた。
家のすぐ近くにある公園の外周を1周と、ついでに顔を出す朝市、買い物袋を持って帰宅するあたりまで毎日同じ。
だが、少女にとって今日という日は特別な日だった。
家を出発して、真っ先に公園へ向かう。
いつもなら外周を歩くのだが、今日はフェンスの内側に入る。周囲に植えられた木の陰を1本1本チェックし、その後は遊具の陰まで調べていく。
そして、大きなアスレチックの坂の所で立ち止まる。
坂にもたれかかって眠っている彼女と、彼女が抱えている真っ白な本を確認。ほうっと息をつき、少しだけ笑顔になって、言った。
「よかった、ちゃんと来てくれたんだ。」
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ