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《聖乃綺羅星（ホーリースターズ）というのは、最初の白本の名前です。しかし、我々にもその白本の精の名前が分からないのです。》
　エリカに続いて、アイリスも矢印を表示する。
《そうだね、アイちゃんもエリカちゃんとハイドランジアの２人、あとタンジェリンちゃんしか知らないね。聖乃綺羅星って、本当に白本の精宿ってんのかなー？》
　名を名乗らない白本の使徒。表紙も白い白本。エリカとアイリスですら名前を知らない白本の精。最初の白本「聖乃綺羅星」は謎の多い白本だ。
　慈愛乃闘神を持っていないほうの手で無意識にポニーテールの先をいじっていた想楽は、ひとつ大きな伸びをした。
「でも、白本に名前が付いている以上は白本の精もいるし、ファルシア教の言葉が本当ならその人も白本の使徒で合ってるんだよね。きっとオーブもスパイラルもないんだろうし。」
　自分なりの考えを言うと、それもそっか、とソアラが答えた。
「よく考えたら、５人の『異世界』の勇者だから、そうだよね。ちゃんと白本の使徒なんだよ。」
　見上げた空は、とても青かった。