WHITE BOOK
「取りに来た……って?」
白本の使徒は白本に選ばれる。エランドはその白本が選んだ人のところへ行き、白本を渡す。これは今までエリカから聞いた話で、想楽が導き出した答えだ。白本を渡されるまで、選ばれたことは知らなかったし、分かるはずもない。想楽はそうであったし、セイファーもりぼんもきっとそうだっただろう。
しかし、取りに来たという現実はあるらしい。ならば、最初の白本を持つ人はどのようにして選ばれていることを知ったのだろうか。いや、そもそも最初の白本は恵梨奈が持つはずだったのではないだろうか。
「恵梨奈がその人にね、『持っていないほうが良い』って言われたらしいんだ。で、気付いたらいなくなってて、白本の代わりに『聖乃綺羅星に選ばれし者』って書いてある紙が落ちてたんだって。」
「名前とか、何も言わなかったんでしょうか?」
「らしいよ。とりあえず、今はちゃんと白本持って恵梨奈のところにいるみたい。名前はいまだに名乗ってくれないみたいだし、白本の表紙も真っ白のままみたいだけど。」
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ